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いにしぇの里葡萄酒

いにしぇの里物語第20話

第5回目の講義は2014年9月20、21日。20日土曜日は終日、独立行政法人酒類総合研究所、高橋先生による「醸造学」でした。発酵と腐敗は同じ現象であり、人から見て有害か無害かの違いであること。人にとって有用な、ワイン、日本酒、ビール、パンなどに多く使われている酵母はSaccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セレビシエ)。この酵母が葡萄に含まれるグルコース100%(ブドウ糖)をエチルアルコール51.1%と二酸化炭素48.9%に分解し、糖の約半分がアルコールに変換されるなど基礎的なことを中心に、ビールや日本酒など穀物を原料としたお酒は、麦芽や麴(アミラーゼ)など酵素を利用し、穀物に含まれるデンプンを糖化させてから発酵させるため、主発酵の前段階でひと手間かかることなどを学びました。自然発酵などと言われる理由は、葡萄には酵母がそのまま使用できる糖が存在するため、そのまま放置しても温度の上昇と共に自然に発酵を行うことが可能ということです。また、ワインが他のお酒と比べて特殊なのは、ビールは約90%、日本酒は約80%が水であるのに対し、ワインは100%ブドウ果汁ということでした。そのため、原料となる葡萄の品質がそのまま反映されるので、ワイン製造は農業と密接に結びついているということを改めて実感しました。日本には美味しい水が豊富にあるから、日本酒醸造が盛んに行われてきたと。これは最近感じたことですが、先日酒販免許更新の管理者研修で、アルコール分解に重要な酵素ALDH2(2型アルデヒド脱水素酵素)は遺伝子によって先天的に決まっており、アルコールが飲めない人や弱い人などALDH2低活性型の割合が日本人では40%、ヨーロッパ系白人・アフリカ系黒人では0%ということが分かっているそうです。海外でワインを水のように飲むなどと言われますが、美味しい水が豊富でアルコール耐性が弱い人が多い日本ではなかなか難しいですね・・。

もう一つ高橋先生の「醸造学」で面白かったのが、有害酵母と言われる産膜酵母の一種(Pichiaピチア)。ワインや味噌、漬物などの表面に白い膜を形成し、酢酸エチルやシンナー臭などの異臭を発生させ品質を劣化させますが、人体には無害であり、シェリー酒やワイン酢、柿酢などにフルーティーで華やかな香りを付与することから広く利用されているということでした。使い方見方により有用か無用かが変わる醸造学の深さ、面白さを感じることができる講義でした。