いにしぇの里物語第3話

Wの衝撃‼

「塩尻でそんな店始めたって続かねぇよ」

2006年当時、友達と塩尻の居酒屋さんで飲んでいるとき、隣のおっちゃんに言われた衝撃の一言。以前、経営コンサルタントの方に「新たに商圏を開拓するのは難しい、既存の繁盛店と同じような店にすると成功確率が上がります」と言われた事がありました。

ラーメン屋の周りにラーメン屋、餃子屋の隣には餃子屋。居酒屋やスナックが多いなら同じような店にする方がいい。なぜなら、それを求めているお客様が最も多いから続いているのだから。要するに需給バランス。いくら自分がやりたい店であっても、需要がない地域にそれを供給したところで、最初は興味本位で来てくれるかもしれないが、続ける事は難しい。おっちゃん はそれが分かってたから言ったんだろう。

だがしかし、俺は塩尻にワインバーを作りたいんじゃい!で、折角のアドバイスも右から左、やろうと思ったら止まれない・・。

まずは場所を探してみようと、塩尻の街を隅から隅まで歩き回りました。東京かぶれだった私は「街は駅から!」がモットーであった為、駅から徒歩2~3分圏内を重点的に探し、遂に現在の店の場所に辿り着きました。

・・・しかし、中に入ってみるとなんじゃこりゃ!!衝撃の店内。閉店したスナックが2年間そのまま放置されて、冷蔵庫の中身もそのまんま・・ギャー!でも駅から徒歩1分で立地は理想的だし、ここしかないと思い、私と大家さんと2人で全てを運び出し、掃除までしてなんとか借りられる事に。って、借りる人間がここまでするのってなんかおかしない!!