いにしぇの里物語り 第1話

いにしぇの里物語り
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出会い

2005年9月東京での10年間の料理人生活を終え、地元塩尻に帰郷しました。特に考えもなく帰ってきてしまった為、仕事も決まってなくフラフラしていました・・。このままではイカンと思い松本のハローワークに相談に行くと、塩尻の信濃ワインさんで収穫時期の季節アルバイトがある事を知り、今までフレンチ、イタリアンで料理をしてきた私はワイン作りにとても興味が湧きやってみる事にしました。収穫のアルバイトということでしたが、ガッツリ入らせて頂きまして醸造に関しても色々と手伝わせてもらいました。この時期のワイナリーは朝から夜遅くまで仕事が続きとても大変でした。

そんな中、休憩中に「父から塩尻に個人で初めてワイナリーを立ち上げた方いると聞いたんですけど、確か城戸ワイナリーさんだったと思うんですが知ってます?」等と雑談をしていると「俺そのワイナリーの立上げ手伝ったよ」という方がいました。ワインを作るではなくワイナリーを作る?!って何?と非常に興味が湧いてきました。即連れてって紹介して下さいとお願いしました。

そこは信濃さんとは比べものにならない位小さいワイナリーでした。しかしコンパクトである為、考え抜かれた作りで、無駄がなくとても作業がしやすそうだなぁと思いました。お会いした城戸さんは物静かな話し方の中にも情熱が溢れ、直ぐにその魅力に引き込まれてしまいました。

「手伝わせて下さい!」その場で思わず口から出ていました。当時28歳怖いもの無しです。今考えると恐れ多い・・。それから、毎日信濃ワインでの仕事が終わると歩いて通い(車がなかったので・・)畑や醸造のお手伝いをさせて頂きました。後々聞いたのですが、「・・怪しい奴が来たなぁ(困)」と思ったそうです(笑)

日々熟していく葡萄、太陽の暑さ、草の匂い、発酵中のワインの香り、魅惑的な樽香、出来立てワインの美味しさ、ワイン作りへの思い。全てが新鮮で刺激的でした。そんな折、愛知県からイタリアで修行してきたという男性が研修に訪れました。とても気さくでイタリア人みたいに明るく楽しい方です。3人でワインを持ちよりブラインドで飲み会をした時、「俺も来年地元の豊田市に葡萄を植えていつかワイナリーを作る!」と言ったので、「じゃ、おらも地元の北小野にピノ・ノワールを植える!・・とりあえず」まだその頃はワイナリーを作るなど、露ほども考えていませんでした。その男性、須崎さんは2014年宣言通り自らのワイナリーAzucca e Azucco(アズッカエアズッコ)を立ち上げました。こうして私の葡萄栽培がスタートします。

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